やきとり

鶏や豚、牛が混在する博多屋台系のやきとりに、たっぷりのガーリックパウダーをかけて食べるのが「長門やきとり」スタイル。添え物のキャベツ、長ネギの代わりにタマネギを刺すところに、博多やきとりの影響が感じられます。海に近いため、普段食卓に上る魚よりも肉がごちそう食となって、気楽に肉が食べられるやきとり店が増えたと考えられます。長門では、「仙崎イカ」の干物や平太郎（オキヒイラギ）や金太郎（ヒメジ）も「やきとり」メニューに加わっています。
ガーリックパウダーと一味唐辛子、ゆずきち胡椒などがカウンターに置かれ、どれでも自由にかけて、味の変化を楽しむこともできます。長門市のやきとり店の多くは、女性の経営店。漁師の奥さんが手軽なやきとり店に参入して家計を助けたという説が流布していますが、そのような例は少なく、「男は漁に出るため、女性が社会進出しやすい」という地域性と、「人当たりは良いが、自分の意志を貫き通す」という長門の女性の気質に負っているようです。